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第229話  ひとつの楽しみ

  ある日、A2Cからメールが届いた。
「息子達が中学生になりました。身長は185cmと186cmになりました。あと数センチで抜かれます」との事だった。
なんと言えばいいのか、これは驚愕と言っていいだろう。
中学に入ったばかりの子供達(男の子で双子である)が185cm、186cm、通常ではとても考えられない高身長なのだから。と、言うことは小学生のうちにそれに近いまでに伸びていたということだろう。その大きな体で少し前までランドセルを背負っていたということだ。いや、すでにランドセルは背負えなかったのかもしれないからデイパックに変えていたかもしれない、後で聞いてみよう。
A2Cは2000年代、TBのスタッフとして一緒に仕事をしていた。彼の身長は187cm、かつてから現在までで一番身長の高い仲間であった。(20代のうちにさらに1cm伸びて188cmになっていた)
それ程身長も高く傍からはかなりいかつく見えてはいたが、人当たりのいい男でまた優しい男でもあった。将来嫁になるSRSは同社レディースショップSDのスタッフとして仕事をしてもらっていた。気立ての良い明るい女性で、似合いのカップルであった。(後に結婚)
それから数年後ふたりは独立し、自分達の店を持ち頑張っていたものだ。しかし激しい不況の嵐の中、店での生活に見切りをつけたふたりはその店をたたみ、新境地を求めて都内へと旅立って行ったのである。
今では都内にマイホームを持ちIT関係の仕事で頑張っている。
傍にいる私の孫達ももちろんすくすくと育っている。上の男の子は小学校6年生で(本好きである)随分と身長も大きくなってきていると実感してはいるが、それは極めて標準的な感覚であり、この子の1歳だけ上のあの子供達の身長を考えるとやはり驚異的な存在なのだ。その下の男の子は小学校3年生でもちろん標準的に伸びていて、クラブでサッカーを楽しんでいる。住む場所が違ってなかなか会えないがその下の小学校2年生の女の子に、また小学校前の女の子達だって標準的にすくすくと育っている。きわめて標準的であり、それが私の普通であり、幸福であることは間違いない。
冷静に考えてみても、A2Cの子供達は将来的に2mの壁を超えてくるだろう。なんと頼もしい、と言っていいだろう。日本人の平均身長を大きく伸ばしてくれる存在である。
現在、確かバスケットに力を注いでいると言っていた。もっともな選択であると同時に、懸命に頑張ってもらいたいものだ。
この私の身近な子供達にとって、標準的.驚異的と身長的に遺伝子的違いはあるが、この子供達がそれぞれ個性的に将来どこまでたくましく成長てしくれるのか、これが今の私のひとつの楽しみなのである。

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