Column

第189話  はるか先に光明はあるか

  どうやら武漢にあるウイルス研究所から発生したらしいと噂される新型コロナウイルスの被災ニュースを、対岸の火事的出来事として片耳で軽く聞き流していたのは、今からほんの数カ月前の事であった。
それがだ、あれよあれよという間に、まるで水面に油が垂れて四方八方瞬時に滑り進むむように世界中に広がってしまった。きわめて感染力の高いその新型コロナウイルスは無防備な人類をまるでもて遊ぶかのように、幾重ものチェックポイントを軽々とすり抜けて広がり続けた。
ここ日本でも次々と感染が広がり続け、ついには全国に緊急事態宣言まで出された。
連日のテレビ報道を目にしていて、その危機的現状に対する対処がどこまでも臆病で陳腐で常に後手後手な日本政府。いったい誰が指揮をとっているのだろう、当初一向に姿を現さなかった各部門の専門家と言われる面々の誰かなのだろうが、危機感の希薄さには辟易とし理解に苦しむ。
よっぽど現都知事の采配の方が的確に的を得ている。
緊急事態宣言時、いっきに抑え込んでそして感染縮小と共に徐々に緩めていく。常識的にもその通りだ。時短や店休にも営業補償をいち早く出す決断にも評価がある。
みんな、明日をも知れず困り果てているのが現状。
そんな民心の嘆きをよそに、国民への給付はややっこしい計算の元で算出された数字それ以下にまでに給料が下がってしまったひと世帯に30万円、いやいやそれは国民全体の不評につき公明が唱える一律国民ひとりひとりに10万円、いやいや10万円は本当に困っている人限定で手を挙げ選別された人に限って渡してやろうかと殿様風・・・ここまでくるともう呆れるしかない。
この国の指揮系統はいったいどうなっているのだ。こんな緊急時にいたっては本当の姿が露呈するものだ。頼りになる人物はこの日本と言う国には誰もいないのか、もしいるなら是非に出てきてほしい、世界とも対等に付き合いそして正道へと導いて行ける人物が。
この先、特効薬の開発やワクチンの開発に助けられて必ずや沈静化するだろうと予測の経つこの新型コロナウイルスよりも、困難事項解決に向けた最善な方法も見つけられず右往左往と何も決められない日本の政府・すでに大昔と化した「昭和」の負の遺産的人々の方がよっぽど悪に映る。
まだまだ解決の目処が立たない状態の今、どうなっていくのだろうと不安だけが募る。仕事を続けて行くうえで私たちはどこまで耐えられるのだろう。
人の流れがすっかりと止まってしまった現状、長引けばそのうちきっと我慢にも限界が訪れるだろう。友人知人からは連日のように窮状を訴える言葉を耳にする。みんなが困り果てている。
今私たちに出来ることはひとつしかないのか、それは新型コロナへの感染に最大限の注意を払って密かに生活することだけなのか。
いや、もうひとつある。それは経済活動を継続して行けるように迅速に深く考えることだ。金融機関に足を運び、役所に足を運び現状打破のために相談をしてみる事だ。きっと何か解決策が見えてくるかもしれない。私自身も出来る限りじたばたと頑張ってみたいと思っている。
昼夜を問わず激務に励んでおられる医療関係者の方々のためにも、一刻も早く安全な特効薬が使用できるようになる事と世界に安堵をもたらすだろうワクチンが完成することを切に願う。

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