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第180話  あるある

  夜、食事をしながらビールを1本ちびちび、1時間もテレビを見ていると、いつもの事だが大きな眠気の波が突然と押し寄せてくる。夜の時間的にまだまだ早いと、重くなってきた瞼に力を込めてぐいっと引き上げてみる。しかし、そうなればやはり、そろそろだ。
このままここでテレビを見ていて、うとうと眠ってしまっては風邪をひいてしまうことになり兼ねない。それはまずい。私はテレビのスイッチをオフにしてテーブルの上に置いてある携帯電話を手に取り、寝室のある2階へと向かった。
ベットに横になり、枕を背にあて背もたれの上部側に頭を乗せて、上半身を45度に保った体勢を作り、寝室にあるテレビをつける。
この2階への移動でさっきの眠気はすっかりとさめている。テレビではスポーツニュースをやっていた。好きなジャンルだ。来年の東京オリンピックではいくつかの新競技が発表されている。サ-フィン、スケボー、クライミングにMBXなどなどだ。今は、その東京オリンピック代表として選抜されるための世界大会が行われている最中なのだが、この新競技の有力選手には若い日本人選手が数多く出ていて優秀な成績を残している。頼もしい。
この体勢でテレビに夢中になっていると何だか首の後方あたりに張りが出てきた。
側にあるクッションを首のあたりに当ててみたがこれが思いのほか大きくて合わない。バスタオルを丸めて当ててみてもしっくりとはこない。仕方がないので首を揉みながらテレビを見ることにした。そんなこんなで30分、じわりじわりと体を下方にすべらせ寝る体勢に入った。夜中に1回2回トイレに起きてしまうのはやはり年のせいだろうか。
翌朝起きると首全体に鈍痛と張りがある。昨夜のテレビだろう・・・なんとかしないと。
この日休日だった私は、ベットで横になってテレビを見ていても楽な体勢を維持するためのグッツを探してみることにした。枕と背もたれの間に差し込む小さなクッションなんかがいいだろう。
名だたる量販店をひと通り回ってみたが私の求めるサイズのクッションは皆無だった。
生地とデザインはそれなりの物がかなりの数揃っているのだが、サイズの方はありきたりな数種数しか揃ってはいなかった。そこで、まさかとは思ったが、100円ショップへと足を運んでみることにした。
するとどうだ、小さなクッションがいろいろと揃っているではないか。
長方形型、四角型に円柱型などなど、その品ぞろえにはびっくりしてしまった。他ではほとんど取り扱いのない、かゆいところに手の届くアイデア商品と言っていいこの小さな商品がこれだけあるのには、逆に違和感さえ感じた。なんでこんなものがこんなにあるの?もちろんニーズがあるからだろう。みんなちょっとしたそんな物を探しているのである。
その数種類揃っている小さなクッションの中で、円柱形の手ごろなやつを私は買った。これは200円だったが文句のひとつもない。何なら、クオリティーを上げるための300円設定くらいなら問題ない。何が何でも100円に抑えることはないと思っている。
ただ、100円でこれだけのものが揃っているこのショップは、あらためて考えるに「すごい」。今更ながら恐れ入った。それからは何か必要なものがあれば、取り合えず100円ショップに足を運び、探してみるようになった。やはりそこにはあるのである、専門店でも置いていないような、アイデア満載の品々が。

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