Column

第162話  また一歩

  2018年、新しい年が始まった。
ティーバードとしては1987年の創業から数えて31年目に突入という事になる。
未だサラリーマンとして活動していた創業の前年1986年、英国皇太子チャールズとダイアナの結婚があり、遠く離れたここ日本でもダイアナフィーバーで大いに盛り上がっていたものだ。この年すでに売れっ子になっていたビートたけしとそのたけし軍団が講談社フライデーに殴り込むと言った事件も起きていた。
決意も新たに創業した年、現在ではすっかりと大御所に上り詰めた感のあるマドンナだが、当時まだまだ初々しい姿で来日(ライクアバージンが大ヒット)、また当時人気絶頂のマイケルジャクソンの来日という大きなイベントがあった(オープンして店の運営に四苦八苦でそれどころではなかった私だが)。そしてあの前代未聞の大事件「大韓航空機爆破事件」が起きた年でもある。その翌年はあの青函トンネルが長い年月を経てようやく開通し、東京では今でも現役の東京ドームが完成した年だ。
そして創業2年目の1989年、中国では「天安門事件」勃発、その衝撃的民主化運動と共産党政府との激しい衝突が世界の注目を浴びていたものだ。またこの年ベルリンの壁崩壊といった大きな出来事がテレビ画面を彩っていたものだ。ちなみに、その砕かれたベルリンの壁のコンクリート破片が何者かの手によって世界に飛散して雑貨業者の手に渡り商品として売り出されていた。当然のように当時雑貨屋だった私の店でもビニールの小ブクロに詰められたそれを販売した記憶が鮮明にある。何の変哲もない小さなコンクリート片ではあったが、話題性もあり意外とよく売れていたものだった。
たかだか30年だが、それらは遠い遠い大昔の出来事のように脳裏に浮かび、考えると目を細めずにはいられない。今では、これらは時折やるテレビの懐かしの映像特集でしかお目にはかかれない。
そんな私にとっての一年の締めは1月10日、それはこの30年間変わりはしない。
この日に、コツコツと地道に日々を積み上げて過ごしてきた一年間のすべての決済を済ませて、いったん肩の荷をほろりと下ろして心のひと休み、その時点で私の一年が終わる。
10日の夜、まるで抜け殻のような私がいる。
20年、もしくは10年も前であれば、そのまま次のステップへとひた走るには何ともたやすくスムースに事が運んだのだが・・・・・今は、なんだか思うように体が反応してくれない。おいおいってな感じ。
1月11日、胸中かなりテンションの低い私が、まるで何事もなかったかのように翌日を迎えて何気なくいつも通り仕事をしているかのように装っているのだが、なかなか頭の芯も回らない。どうやら気持ち、体と連動しているこの気持ちの切り替えにかなりの時間を要するようになってしまったようだ。そうなのだ、ここ数年でかなりポンコツ化しているのだ。以前からうすうす自覚。こんな時は横丁の酒場で一杯。
気持ちが自分を取り戻すのに2週間、ようやくいつもの日常が時を刻むようになる。
はたしてこのポンコツ、いったいどこまでもつのだろうか?などと心配にはなるが、行けるところまでは行ってみましょうか。
また新たに今年の一歩が始まった、・・・一歩一歩地道に頑張ります。
「今年もどうぞよろしくお願い致します。」

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