Column

第171話  継続なり

  ここのところ数年にわたり毎年参加していた「アップルマラソン」が中止となったことを知ったのは、テレビでここ青森県へも台風が近づいて来るだろうという情報が出てからすぐの、「アップルマラソンサイト」を覗いてみた時だった。
愕然とした。
なぜならテレビでその台風の進路を視認した時、大会前日でやっと日本海あたりに到達しそうな予測となっていたので、この進み具合では恐らく大丈夫だろうと勝手に思い込んでしまっていたからだ。それだから、早々突然の中止にはまったくもって驚いてしまった。「まさか」だった。
ああ神様、私が何か悪い事でも・・・ああ神様、思い当たる節もなくはないが・・・そうかあれか、芝を荒らすカラスに向かってエアーガンを2.3発はなってしまったやつ?・・ただ当たってないし、それとも事務所にある貰い物の「ラスク」をそっと3枚ほど先に食べてしまったあれか?まてよ、岩手山登山中、避難所のトイレのカギが壊れていて開かずに、どうしてもオシッコが我慢できずにその避難所裏で用を足してしまったことか?いやいや、あの時は下山時砂利道で思いっきり滑って転んで膝と臀部を負傷、山の神のばちはすでに当たっているはずだ。ではいったいなんなんだ?
それにしてもこの非道な仕打ち、あまりにも理不尽な・・・。
思えば、個人的な節目に当たる今年は、やはり個人的な記録にチャレンジする最後の年と思っていた。それだから、この4月からは走るスピードをアップさせて自身に鞭打ち、吐きそうになりながらも記録を意識した走りを確立してきていたのだった。いい年をして、過酷な練習を課してきたものだった。今回を乗りったらもう来年からは記録よりその大自然を満喫しながらゆっくり走ろうと思っていたのに、ああ、それなのにそれなのに・・・中止とは。
と、感情的な落胆に打ちひしがれながら「アップルマラソン」のサイトをオフにしたのだった。外を見ると太陽サンサン、台風のたの字も感じられないほどの好天だった。
ただ、2、3日もたてばけろりとしたもの。
大会が行われていれば向こうで合流するはずだった友人ご夫婦に、「今回は残念でした、来年はぜひご一緒出来ればいいですね」と伝言を伝えてもらい、私自身の新たな一歩の始まりと位置付けた。
ただ、問題がひとつ。
それはまたひとつ年をとるという事だ。10代20代の若手がひとつ年をとると言ったたぐいの簡単な問題ではない。年老いていく過程での1年、下降線を描くその頼りない曲線の体力を無理やり平行線で維持することは並大抵のことではないように感じる。果たして大丈夫なのか?行けるだろ!大丈夫なのか?行けるはずだ!黄昏に波打つ心。
きっと行けるさ、なんとかなるさ、もう過大な無理はしない。
結局、今までと同じ生活環境での暮らしを継続することが一番と結論付けた。もう少しだけ頑張ってみよう。この活動サイクルを続けてみようと心に決めて、今年の念を振り切った。
それでもやはり晩秋のこの時期、いち度は弘前に向かわなくては気が済まない。
そこで翌日、休みをもらっていた私は「岩木山」登山をすべく弘前に向かったのであった。
「嶽コース」、登って下りて3時間50分、フルマラソンで描いていたサブ4をこちらではやり遂げた。なんだかな~。

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