Column

第242話 断捨離

やはり、年齢が増すと共に確実に体力はそぎ落とされていく。

48歳から始めたランニングを基本に、マラソン大会などにも参加してみたり自転車に乗ってみたりスイムを40年ぶりに再会してみたりと、それらを楽しんではいたものの、あれから17年が経つ。さすがに体力増強よりも年齢的体力減退のほうが勝ってきているような気がしてならない。

ケガも多くなった。2024年1月、階上岳にて行ったトレランでひざを痛めてしまった。下山時は何事もなく帰宅したのだが、翌日に右ひざが痛みを伴いはれ上がった。どのシチュエーションでのケガだったのかの見当もつかない状況ながら、やはりその時の無理が祟ったのはどうやら間違いはなさそうである。

4カ月程は走る事もできずに様子を見ながらのウォーキングで時間を費やし、それからはだましだましで徐々に走り出した。しかし自然治癒している感覚もなく、とうとう病院へと足を運んだ。結果は「半月板損傷」と言うことだった。

手術はひとまず回避して現在治療を続けている。溜まった水の除去とヒアルロン酸の注入である。徐々に痛みは薄れて行っているように思う。

そんな今年、なかなか思うように体を動かすこともままならない私は、とうとうスキーに行くことはなかった。近年スキーを再開してからは初かもしれない。膝の損傷は思いのほかできることに制限がかかる。当然ながら山登りも未だどこにも向かってもいない。そうなればいろんな事が億劫になってくる。

今年車検を延長したモーターサイクルさえも未だ一度も乗っていないのである。これもまた珍しい現象だ。乗りたい、と思わなかったから不思議だ。

きっかけは膝の負傷と言う事にはなるが、これからは気持ち的にそれらから徐々に遠のいて行くのかも、と少しばかり不安が募る。

なぜなら、「道具」がたくさん揃っているからである。昔からそうなのだが、何かを始めるとその道具からウエアーまで全般的に揃えてしまう。そしてそれらをいつでも使えるように準備しておくのである。新しい趣味が見つかっても、もちろんそれに関してのそれこれを揃えていくのだが、今までの道具だって時に使うのでしっかりとそのまま保管して置いてある。

だから私の使える道具があれこれ所せましとあるのである。

思えば、私もすでにそんな事を考えなくてはならない年となってしまったのだ。

そろそろあまり使わない順番に、少しづつ失くしていかなくてはならないだろう。

まず手始めに、また何かをやろうと言う好奇心を断捨離しなくてはならない。

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