ポポポポン―ポポポポン―ポポポポン・・・。
携帯電話の着信音がけたたましく鳴りだしたのは、もうすぐ夜が明ける寸前の午前3
時30分を回ったあたりでした。
「もしもし、夜分申し訳ありません、実は店の警報が鳴りだしまして、向かってみる
と猫が侵入しておりましてこれがなかなか出て行ってくれないんですよ。途中見失い
ましてこのままの状態での退店は大丈夫でしょうか」との事でした。
仕方ありませんから「はい大丈夫です」と答えて取り合えず再び就寝。
まるで夢でも見てたかのようなその報告を思い出しまして、準備をして出社。
そこから皆さん総出で探すのですが一向に見つからない。30分ほどかけて隅々まで探
すも発見に至らず。
そこで店をオープンしてそれから時間をかけて探してみようと、いつもの音楽をオ
ン。
するとその音楽に合わせるように「ニャオ~」の鳴き声が聞こえるではありません
か。
いるいる、やはり未だにこの店の中にいたのであります。
鳴き声をたどると、なんと奥の奥の箱と箱の間に隠れておりました。
まだまだ子猫、小さくて気づきませんでした。
見つかると、子猫は一目散にさらに奥へと逃走。
またまた奥の棚の下に隠れてしまいます。すばしっこいので捕まえるのは難しいで
しょう。
膠着状態5分ほど、この後またまた一目散に開け放っていた玄関を目指し、とうとう
外へと向かってくれました。
ただ、外へ出たものの店の周りをグルグルと逃げ回りあちこちの隙間でひと休み。
30分ほどもいたでしょうか。
そのあと皆とバイバイするように奥にある民家の塀をくぐって見えなくなってしまい
ました。
取り合えず一安心、夜中に起こされるのはか弱い心臓にはなかなかの負担ですから。
どう見ても近所の子猫でしょう。無事家にたどりついていることを祈ります、達者
で。
(何回も鳴る警報の原因がつかめず、猫の仕業と判明するまでセコムさんは3回もの
出動をしてくれておりました、ご苦労様でした。)