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ファニーズ・ゴーゴー

リアス式の入り組んだ海岸線を私は北へと走行中だった。
「なっ、何だあれは!」

前方を見つめる私の目に忽然と表れたバックトゥ-ザフューチャ-のデロリアン号の痕跡。
焼けこげたタイヤ痕がくっきりとアスファルト上に2本浮んでいる。
私は私自身の目を疑った。

ドクとマーティがここにも姿を表したのか・・・・・。
松の木が生い茂る山林の向こう側から次元を飛び越えてこの地に出現したとみられる。
この時代のこの八戸に何か重要な事実があったに違い無い、この痕跡をさらり、難無くスルーした私の脳裏に彼等の笑顔が浮んではすぐに消えた。

海岸線をバイクで走行中、ふと山岳地帯へと続く細道へと入った。
このラインを真直ぐに進んで行くと去年よく登った「階上岳」へと続く。
久し振りに「階上岳」の中腹を貫くワインディングでも攻めてみようか、そう思った矢先だった。
「なっ、何だあれは!」

木の化物か、走行中の私は全身恐怖に震えた。

まるで恐竜時代の生き残りではないか。全身を蔦が取り巻き何か別世界の生き物の様にみえる。
両手を広げたその姿は獲物を、標的を逃すまいとすすんでいるようだ。

昼食の時間が来た。
今日はジンに頼んで「オレンジハート」から玉子サンドとおにぎりを買って来てもらっていた。
う~ん、いつもながらにボリュームがあって、しかもうまい!
どれどれ、次はおにぎりを食うか。
そのおにぎりを手にとった私は腰が抜けた。
「なんじゃこれは~」

なんと「テン」の顔が浮んでいるではないか。
イタチ科特有の鋭い目つきだが、なんと口には笑みが浮んでいるではないか。
じっくり見るとなかなかかわいいではないか。
我にかえった私は、何事もなかったようにラップをはがしガブリと食ったのだった。

また会いましょう!

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