えっ、二日間の連休もらえるの!
さて?それはどうしよう。
私の場合、出張が絡まない連休はそうそうあるものではない。
これは何かを成し遂げなくてはならない。
何がいいだろう・・・・・・・そうだ、八甲田山だ!八甲田山に登ろう。
松本市にあるグッドストアーの西君と9月に長野のとある名山に登る約束もしてある訳だし、前哨戦としていっちょう頑張ってみるか。
という事で急遽決行と相成った訳であります。
早朝8時に酸ケ湯温泉到着。たくさんの登山コースがあったものの、ここから仙人岱を経由して大岳(山頂)を制覇し、毛無岱を通って再び酸ケ湯温泉に戻って来るぐるり一周の絶景コースを選択したのです。
ちょっと曇っているけどさぁ行きまっせ!
おおっ!ここが登山口か。
質素な入山口のわりには立派な鳥居だ。
これから先は神域と言ったところだ。それでは神様よろしくです!
そして~あるう日~森の中~熊さんに~出会あった~なんて事のないようにお願い致しますよ。
岩沢がごろごろと、いやいや、大岩がごろごろと転がる細い道を歩き続けていると矢印が⇔こんな具合に両方を向いた看板が出現。
左右どちらから登っても最終的にひとつになるのだろうと安易にふんだ私は左側へと進む事にした。
しかしこれが大きな間違いであった。
子ブタ位の岩々が積み重なる急勾配を這いつくばって登って行くも道らしい道が全く無い。
しかも前方には背の低い植物が生い茂げっていて全てを覆っているではないか。私は後ろを振り返って見た。
それがこの図。ここまで登って来てやっと気がついた。
ここは登る所では無いのだと。「え~~~!」冷や汗が吹き出した。
谷の底を硫黄を含んだ小川が流れている。
このまま岩場の斜面を降りて行くのは危険だと感じた私は、この小川の流れる谷底まで山肌の露出した斜面をずるずると滑り降り、そこを流れる小川の部分を下っていったのでした。
硫黄で体の半分が白くなってしまった。
写真のまん中あたりにある切れ込みのなくなるあたりまでビシャビシャと歩いて下ったのでした。
ぎりぎりセーフ!
仙人岱をなんなく制覇し大岳へと迫った。このあたりはまだまだ雪が深いようだ、さすが八甲田。
山頂は雲に覆われ全く姿を表す気配すらない。
私は雪原にちょこんとさされた竹ざおをたよりに山頂を目指したのだった。
とうとう山頂を制覇。
しかし何も視界に入らず、たいした感慨も無いまま素通りするようにスルー!う~~~~~~寒い!
頂上からごつい階段をしばらく降りていくと前方にスキーのゲレンデのような雪の急勾配が出現。
スキーの名手の私は履いているダナ-ライトに命を預けてズズーと滑り降りたのでした。
爽快感は常に危険と隣り合わせにあるのだ。
花はいろいろと咲いていたのだが、今回「おっこれは!」と思ったのがこいつ。
鈴蘭の様な形の小さなピンク色の花がこんな荒れたところにひとつだけ咲いていた。
なんと健気できれいだった事か。
大岳をさらりと制覇してしばらく進むと遥か下界に湿地帯が出現。
目の前には、そこまで続くだろう下りの階段が延々と続いている。
先が見えないくらいに急だ。もしここで転がったら地獄行きは免れないだろう。
こんな事ならもっと好い行ないをしておけばよかったと後悔が過ったが、今さらだ。
地獄の入口もなんなくクリアーし、たったひとりスキップしながら前へ前へと突き進む事数時間。
なんと前方に、朝一出発した地点である酸ケ湯温泉が見えてきたではないか。
ヤッタ-!
ずっと向こうの広場に私の愛車「ハイエース」の勇姿も見えている。
いちだんと私のスキップも軽いものとなった。
午前11:07ゴール。午前8:13に出発したからトータル2時間54分かかった事になる。
だけどコース案内には所要時間4時間40分と書いてあったが・・・・。
どうやらちょっと頑張りすぎたようだ。ノンストップだったし心臓もガンガン高鳴っていたし、これは本来の登山とはやや懸け離れたものになってしまったようだ。
もう一度来ようとすぐに思った。
次回は、今回のこの無謀なペースを改善すべく、もっと基本的な登り方をふまえたうえで進まなくては・・・体の為にも。
スニーカーでもいいや、と思っていたのだが、現地に着いてからなぜか冒険用ダナーライトに履き替えた。
これは近年稀にみる大正解であった。とてもスニーカーでは無理でしょと言った所が随所にあった。
思えば台風ツーリング事件以来こいつには助けられっぱなしだ。
硫黄と泥とでよごれてしまったが帰ったらケアしてやろう。
そしてまた近い内くるぞーっ、こいつと一緒に!