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HOME > COLUMN > 第79話...まくらを買おう |
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第79話 まくらを買おう |
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変型の大きな「まくら」を抱えながらぐっすりと眠っているスレンダーな女性の後ろ姿がテレビ画面いっぱいに映し出されていた。「まくら」 と書いたのは、テレビで「抱きまくら」と言ったからだ。それは、全長120センチはある、ちょうどダブル用のまくら位の円柱型で、両端が細くとんがり気味になっていて中程になだらかな突起部分がひとやまあると言ったものだった。私にはどうしてもその「まくら」が擬人的に見えてしまうのだが。 そのなだらかなラインを持つ円柱に腕を回したり足を回したりしてそのテレビの中の女性はぐっすりと眠っている。リラックスしているその寝姿はとても気持良さそうだ。 アナウンサーはこの「抱きまくら」の効能を甲高い声でまくしたてている。普段はこの手の通販にはピクリとも反応しない私なのだが、この時ばかりはピクリと反応してしまった。暑い時、私は掛け布団を丸めてこんな感じに抱いて寝るくせがあった。この行動はいつの間にかそうなっている、まったく自然なものだった。幼い頃からのくせなのかも知れない。ただ掛け布団ではこんなにしっかりとした円柱状にはならない。私はしばし考え、そして立ち上がった。 「よし、このまくらを買ってみよう」
通販はしなかった。
チュンチュンチュンチュン(最近スズメが少ない)
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