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HOME > COLUMN > 第62話...微笑みの予感 |
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第62話 微笑みの予感 |
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いつのまにか50才になった。 テレビのニュースで「・・なんとかさんは50才で・・」などと耳にすると、心の奥底に 根付いた固定観念とは恐ろしいもので、その人の姿は既に老人の風貌で脳裏に浮んでしま う。私が10才かそこらで、世の中の成り行きなど微塵も関心が無く未だ袖口に鼻汁をこ びりつけながら遊んでいた頃、私の視点での50才の人間は真しやかに完璧で立派で完成 された人間に見えていて、しかも笑わない人間として脳内にインプットされていた。それ は少なくとも「年寄り」と呼ばれる部類に完全に属していたものだから、私自身がその年 になったにも関わらず、耳からその区切りの数字が入ってくると、頭の中では朽ち果てる 寸前のイメージがすんなりと収まってしまう。こうして年月を重ねて来て、その大台に乗 ってみて感じる感覚的認識は、大人を別な生き物として見ていた頃の感覚的認識となんら 変わっていないような気がする。根底にある基本的な思考はそのあたりからそんなに大き く違ってはいないようだ。幼い頃あんなにも手の届かない遠く大きな存在に思えた大人達 も、もしかすればその頃の中身とそんなに大差は無くて「まぁこんなものだったのかもし れない」そう思うとなんだか複雑な心境である。
この人生の大きな節目のような記念?すべき年に、中学の頃の同窓会のはがきが舞込んだ
会場に到着したのは集合時間の5分前であった。
司会を勤めるある男の合図でこの会は始まった。
N先生は英語の担当であった。
その先生が出席していないのだ。
集まった人数は決して多い方ではなかったが、気持ちの安らいだ時間だった事は間違い無
観察結果を噛み砕いて言えば、代り映えの激しいのは男性陣の方だった。体型が以前とは
生まれて初めての同窓会。
出来る事ならまた数年後に会いたいものだ。
この豊潤なひととき、最後までいくら考えても解らない奴がいた。
翌朝、自宅のリビングで食事をしながら例の顔写真集をぼんやりと眺めていた。
私側からのこんな勝手な思いを綴っている訳だが、あの和やかな雰囲気の中でどうしても 「みんなは・・・私の事を誰なのか解っていたのだろうか?」
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