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HOME > COLUMN > 第60話...人間として失格 |
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第60話 人間として失格 |
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「風呂わいてますよ~、先に入るすか~!」 間近で発したとみられる直球な声が頭蓋骨にぶち当たった。 「ん・・・なんだ・・・風呂って?・・・ここは・・・どこだ!・・・私はいったいここ でなにを・・・・。」 重いまぶたをギシギシと5ミリ程持ち上げ、その薄っぺらな隙間からあたりを見回してみ るものの、目に入るものはいつもの慣れ親しんだ風景ではない、なぜここなのかそのいき さつを思い出そうと脳内回路がフルに回転している。 これ以上把握が困難だと、脳ミソがショートして耳から煙でも吹出しそうだ。 シングルベットにひとり・・・あの声・・・・・・・。 そうだ! このベッドはK二号のベッドだ。ここはK二号の部屋で・・・それでG市だ。気付かずに 何かいけない事を仕出かしてしまったかの様な得体のしれない不安が胸中渦巻いていたが ・・・・これですっきりと晴れた
2006年・晩秋
今、私は、猛烈に頭が痛い。もう絶対に酒などは止めてしまおう、二度と飲みたくもない
私のためにHは自身の部屋の浴槽に、自慢の温泉を湧かしておいてくれていた。そう言え
一時間程休憩した後、未だふらふらの状態ではあったが車で部屋を出発した。昨夜から予
と、ここまではよかった・・・あまりの視覚的衝撃に我を忘れていたから・・・。
数分後、私のコーヒーが運ばれてきた。
「斜陽館」のチケット売り場へと向かった。 その甲斐あってなんとかぎりぎり終演まで辿り着く事が出来た。 ((なんとかもってくれた、だがそろそろ限界だ))
館内全ての案内を終えたお姉さんはにこやかに微笑んだ。 「この土間を左へ進みすぐに右、その突き当たりですよ」 おお~さすがの切り替え。 「ありがとうございます。」 丁寧にお礼をした後、私は小走りにその方向へと駆けた。
昔も敷地のこの辺に便所があったとすれば、もちろん太宰も幼少の頃からこのあたりで用
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