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HOME > COLUMN > 第58話...魚影物語 |
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第58話 魚影物語 |
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魚の影らしき巨大な輪郭を私の心眼が捕えた。 それは、川面にちらちらと反射し続けるきらびやかな陽光のかけらをものともせず、薄ぐ らい影と化した何者かがじっとひそめている様子にうかがえた。これといった明確な根拠 はないものの、もしかすれば、かつて目にした事もない程の巨大な魚なのかもしれない、 といった楽観的思惑が私のなかで生まれていた。 水の流れにそって何度も何度も闇雲に餌を流し続ける惰性的行為にあきあきとしていた私 は、これだ!とばかりに、その何やら得体のしれない巨大な影に向って餌の投入をくり返 してみたのだ。 だが、口元だと思われるあたりを何度となく餌が通過するものの、その影はピクリとも動 かない。まるで岩のようにじっとしているのである。やはり川底に沈んでいる大きな石こ ろだったか、と諦めかけた時だった。ほんの一瞬ではあるが尾びれと思われる部分がひら りと水中をひと掻したのである。水の流れに何やら急激な変化が起きたとみえ、いかにも 態勢を整えたといった感じのかなり微妙な動きではあったが私の研ぎ澄まされた熱視線を はぐらかす事は出来なかった。ここで曖昧なる自信からGPSばりの確信へと変わった。
「渓流行きましょうよ。釣り名人のこの俺が教えてあげますよ。M知ってるでしょ、あい
道無き道をしばらく進んで行くと前方に車を2~3台は止められる位の小さな河原と呼べ
「この竿を使っていいですよ。まあ、初心者だからこれくらいのやつでいいでしょ、仕掛
暫くして目の慣れた私にその黒い影が映り出した。
結局、この日の成果は私の釣り上げた大型イワナ、いわゆる主イワナ一匹のみであった。
あれから二週間後・・・
この日もなかなか厳しい一日であった。ほとんどあたりも無く、小魚すら餌に食い付こう
「おい、腹減ったな~お前俺に負けたんだからラーメンでもおごれよ、うまいとこあった
後日談
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