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HOME > COLUMN > 第57話...カンニング考 |
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第57話 カンニング考 |
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人間として、いや、生物として生を受けた以上将来必ず迎えなければならない「死」。 この避けては通れない重大問題について小学5年生だった私は、同級生女子の児童的女心 を解明する事よりもさらに深いところで悩んでいた。あたりが明るい昼間のうちはそれで も気が紛れる何事かが回りに存在するからいいものの、夜が深刻だ。 年を重ねた今なら酒のひとつもあおればバタンキューと何も考えずに眠りにつくことがで きるのだが、知恵も勇気も金もないガキの頃ではそう簡単には行かない。目を瞑ったとた ん、「不安」という真っ黒で大きなバケモノがどこからともなく忍び寄って来ては、私の 純粋な心をかき乱した。死んだら目で見る事は出来ない。死んだら耳で聞く事は出来ない 。死んだら体が無くなり何も感じる事は出来ない。死んだら世の中が移り変わって行く過 程は解らない。いったいどうなるのだ?いや、どうなるのではなく何も無くなるだけなの だ。 それが・・・・解らない? この終着点の見つからない迷路のような思考が順繰りに頭の中を回りだしたらもう止まら ない。考えて考えて考え抜いてもなんの解決作も見出せずに夜の闇の中ひとり泣き濡れて は朝を向かえた事も度々であった。
それを目にしたのは三時限目の国語の授業中であった。私のひとつ前の席に座っている友 どうすれば、いかにきれいに実行出来るか・・・・。
初期の作品は鉛筆に細工をしたものだった。 当日、テストが始まった。
深夜まで続いた緻密な作業のせいで体は疲労困憊してはいるものの、心強い味方を手に入 それでも私は真っ当な姿勢で勉強が続かない。
研究の末、次ぎに考案したのが厚紙の半円型であった。これは鉛筆と違って製作が簡単で 困ったものだ。
闇の中、脳裏を圧迫していた「死」の妄想については、お年玉を掻集めて買った、テルテ 単純なものだ。
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