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HOME > COLUMN > 第56話...哀愁のメンコマイスター |
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第56話 哀愁のメンコマイスター |
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そう、小学生の頃の私はメンコマイスターであった。 ビー玉もそこそこだったのだが、やはり内面から燃えたのはメンコの方であった。学校で の休み時間や放課後も短期戦を交えるが、まして休日などはその勝負の為に腕におぼえの あるつわもの共が我家に集まって来るのだ。自然と灼熱の勝負が始まるのである。 この頃私はリンゴ箱いっぱい溢れんばかりに戦利品であるメンコを所有していた。これと ほぼ同等に所有していたのが同級生のFであった。Fも負けず劣らずのすばらしい才能の 持ち主であり、私の永遠のライバルとしての地位を不動のものとしていた。 彼との勝負は壮絶なもので、取ったり取られたりの過激なシーソーゲームが続きだすとも う止まらない。その長く激しい戦いが終わりを告げるあたりには、すでに心身ともに疲れ 果て、勝った負けたの感情すらも果てていたものだ。別れ際はおそらく10ラウンド戦い 抜いた矢吹ジョー状態、まさに全身全霊を尽くして戦っていた情景を今でも鮮明に記憶し ている。 その点ポール君との戦いは楽しいものだった。ポール君は身体が小さかったので、それこ そ全身を使ってメンコを打つのだが、その際決まって身体が宙に浮くのである。完璧にジ ャンプし空中浮遊の状態で打つのである。まるで今をときめくテニス界の貴公子、錦織圭 のエアーケイのようであった。言ってみればエアーポール、何だか洗剤のようなニュアン スになってしまうが、あの妙技をまた見たいものだ。
時は1995年、アブラゼミがあちこちで奇声を張り上げては汗していた暑い夏であった
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