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HOME > COLUMN > 第24話...分岐点 |
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第24話 分岐点 |
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八戸は全国でも有数の水産都市である。 特にイカなどは漁獲量が日本一であり、ひとつのブランドにもなっている程で、その他で もイワシ、サンマなど多種多様な海の幸が数多く水揚げされているのである。 其故港町や市場などは活気に溢れ、この不景気な時代にありながらも選り好みさえしなけ ればなんらかの仕事はみつけやすい所なのかもしれない。 私が今の店を開いたばかりの頃は、店の売り上げだけでは飯も食えず、私自身この市場で は随分お世話になったものだ。 店を新規開店して丁度2年目あたりまでは、昼間は店に立ち、深夜2時から昼前位までは 市場でアルバイトと言う生活を送っていた。
その当時お世話になった会社はT水産と言う、八戸ではなかなか大きな部類の会社であっ
た。
この食事にあり付く為にアルバイトをしていたと言っても過言ではなかった程だ。 「こらーっ!どご見で運転してんだ!ちゃんと前見ろ、ボケ!」 と怒鳴ったかと思うと、また直ぐに何事も無かったかの様にシャンとしてリヤカーを引き 出したのだ。
街方面でこんな事があったならば間違い無く警察沙汰である。
だがこの頃一度だけ死と言うものを間近に感じた時があった。私は上司の指令により体育
館程もある超大型冷凍冷蔵庫から冷凍のイカを運んで来るようにと言われた事があった。
そこで、私はパワーリフトに乗りその冷蔵庫内へと入って行ったのだ。
((しまった!))と、とっさに天井を見上げると、巨大な冷凍イカの一山が弓なり、私に迫
ってくるのである。
だが、幸いにも神は私を見捨てはしなかった様だ。冷凍イカの山は私側へ崩れ落ちる寸前
の所で1度止まってくれたのだ。そして今度は反対側へと弓なり、それからはゆらりゆら
りと振り子の様に前後に揺れ続けていたのである。
こんな生活が2年も続いた頃であっただろうか、私はこのT水産の社長から、
私は考えた。そして短い沈黙の後、私は自分の店に集中する事を決断したのだ。
私にとっては分岐点だったのだろう。
機会があれば朝飯時に合わせて(久し振りですね~!)などと言って訪ねてみようかと、
何度思ったことか。
そしてあれから数十年が経過した2006年。地方都市での商店街の状況はあの頃とは全
く異なり当時の賑やかさは薄れていく一方の様である。 人間万事塞翁が馬と言う事でこれからもガンバリマ~ス! (いや~っ!まだまだ暫く引退は出来そうもない様です。YAMADA-SAN!)
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