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HOME > COLUMN > 第22話...スバル360 |
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第22話 スバル360 |
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学生であった頃の私は生活の向上を計る為に夜はクラブでアルバイトをしていた。 クラブとは言っても現在の様な音楽系のものではなく、女性が接客をしてくれる、言わば キャバクラの高級版である。 場所は新宿なのだが、新宿にしては比較的落着いた佇まいの三光町という所で、地下には 映画館なども併設してあるテアトルビルの8Fにあり、女性が200人以上も所属する大 所帯であった。 (このビル内には当時カリスマ的人気を誇るお店で、「ロンドンナイト」と言うイベント などでも有名なツバキハウスも入居しており、よく裏口から入れてもらったりなどしたも のであった。)
この私のバイトするクラブに連日のように足を運ぶ、ある建築会社の社長がいた。
その彼が徐々にお酒を飲んでは支払いを現金ではなく小切手で支払う様になり、ちょっと
した金額などはツケをもする様になって来ていた。 そこでクラブの社長からお金の回収を命じられた私は連日彼を探し、数日後やっと彼に会 う事が出来たのだが、これがまた悲惨極まりないものであった。
彼の建築会社は既に倒産の憂き目に遇っており、奥様と子供達は実家へと帰ってしまって
いたのだ。
私は、とりあえず彼にお金の支払いについての話しをしてはみたものの、やはりどう転ん
でも無理であった。 それは薄汚れた「スバル360」であった。
手ぶらで帰る訳にはいかない私はその車を変わりに貰う事にしたのだ。
バッテリーの小さなこの車は、すぐにバッテリーがあがってしまう。
運転席側のドアを開け、左手でハンドルを握り右手を車体に掛けて同時に押すのだ。走り
出したら車へ飛び乗りギアをセカンドに突っ込む。これで100%エンジンが始動した。
深夜、銀座へ向かった時だった。
今となっては大変楽しい思い出である。
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