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第202話  目につくものは

  道端にへばりつくようにところどころ残っていた残雪の塊もすでにすっかりと姿を消した。そんな何気ない変化が、ついに温かい季節へと変わったのだと実感させられる。それは雪国育ち特有の感覚なのだろう。気温の方もひとメモリひとメモリと上昇を続けている。 
早朝ジョギングのロードコース。
ウエアーも随分と身軽になった。ストレッチの効いた7分パンツに薄手のロングスリーブシャツ、その上にやはり薄手のナイロン製のパーカを1枚と言ったところだ。これくらいなら毎朝の選択も1回で済む。冬場はどうしても着る物の枚数が増えるので2回の洗濯が常だったので楽になる。
家を出てしばらく走るとベイエリアへと続く。このあたりがなかなか気持ちのいい場所だ。
ただ、この雪が解けて地面が姿をあらわにしたとたんに目に飛び込んでくるものが目立つ。
あまりにも散乱しているペットボトルや空き缶ゴミである。
かつては雪の中に閉じ込められていてまったく人の目にも触れずにひっそりと埋まっていたゴミ達が一斉に姿を表してしまっているのである。これはひどい、私はあまりにもひどいこの現状にしばし言葉を失った。そして思ったのである、一度走りながらこれらのゴミを拾ってみようと。
翌朝、私はスーパーでの買い物時一緒に購入しているスーパー袋を片手に出かけた。
早速にペットボトルが1本目についた。これを拾うのだが、やはり素手ではやるせない。近かったので家まで戻り軍手を持参した。そしてその場所に戻ってその落ちていたペットボトルを拾ってスーパー袋に収めた。これで良し。このあたりはそれ程のゴミはないようだ。しばらく走っているとそのベイエリアに差し掛かる。するとどうだ、このあたりから急にゴミの数が増えだす。走るどころか、拾いながら歩くしかない状況になる。
折り返し地点に着くころにはすでにスーパー袋はいっぱいである。そしてそれを片手に持っているとなんとうまく走れない事。バランスが崩れてまともに走れない。仕方がないので時折それを左右持ち換えて走るのである。
家に到着するころにはいつもより疲れた私がいた。この袋たったひとつ分の事なのだがこれ程の疲労感が出るとは正直驚いた。
それでもさっぱりとした自己満足感はあった。これで少しでもきれいな道になる。
翌朝は何も持たずに走り出す。昨日の今日だから昨日程のゴミはない。それでも1個2個のペッボトルが目に入った。昨日までのゴミはこのひと冬を通してのものだったが、この1個2個はここ24時間に捨てられたものである。日々、ポイ捨てする者がいるものだと実感がわく。
昨日使った軍手はぐちゃぐちゃに濡れてしまっていたので、今度トングでも買わなくてはいけない、そう考えていた。毎日は出来そうもないが時折そんな自己満足な時間を作ってもいいだろう。いつか何かいいことでもありそうな予感を含ませながら。
そろそろ、ここのエリアは毎朝掃除をしてくれる軽トラに乗ったいつものお父さんが姿を表すだろう。彼は、雪解けの春から秋深くになるまで毎朝ゴミを拾ってくれている。仕事なのかボランティアなのかは定かではないが、私達は会えば自然に会釈し挨拶を交わす。
さりげなくすれちがうのでいつの間にかそうなった。春夏秋のシーズン、このベイエリアがきれいなのは彼のお陰である。感謝しかない。
トングを買った暁には時折スーパー袋を片手にまた走ってみようと考えている。

 
   
   
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