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  第20話  接客快覧  
   
私達は接客という仕事柄、たくさんの方々と接しお話をする機会が多い。
そんな大事な接客の最中には、スタッフが真面目に取り組んでいるが故に起こる、奇抜な トークや面白い出来事が存在するのである。
このなるべくなら笑ってはいけない状況下、スタッフの真顔での頓珍漢トークを耳にして しまったら最後、可笑しいやら苦しいやらで決してこの場に留まっている事は出来ないの だ。

ある時スタッフAはお客様にシャツを説明していた。
欧米人並みに背の大きなAは、やや前屈気味になりながら一言

「このシャツは3日前から古着なんですよ~!」とニヒルに言ったのだ。

確か3日前からセールの商品であり、3日前からなにもしないのに急に古着に変わる事は 常識的に無いのである。
だが、それを聞いていたお客様は、

「へー、そうなんですか?」

などと、滑稽で突っ込み甲斐のあるこの言葉を、事もあろうに冷淡に横流しにしたのであ る。

(いやいや、どっちもそうじゃないでしょ!)

と思った私は、このなにげない奇妙で軽妙なトークの流れに絶えられなくなり、ひとり平 静を保つことは出来ない状態に落ち入ってしまい、とてもこの場に留まる事は出来なかっ たのだった。
(この話は今年(2006年)の2月にめでたくAが自身の結婚披露宴を催した際にひと つのエピソードとしてスピーチで披露したのだが、御来賓の皆様には全く受けずに、まさ かの際にと用意してあった第二弾の方がややうけと言う悲惨な状況で、私としては少しシ ョックで悪酔いした程である。)

ある時などは、店の玄関方向からお客様の入って来る足音の様な「カチャッ」と言う音が 聞こえたので、スタッフ全員反射的に

『いらっしゃい!』

と言いながら振り向いて見ると、そこにはネコが立っていた事もあった。
実に落ち着いたネコで、ゆっくりと店内を覗いて(へぇ~)と言う仕草の後、ゆっくりと 振り返り、そして帰って行ったのだった。

スタッフTは、お客様に選んで頂いた、ジーンズの裾上げの為ソーイングルームへと入っ て行った。
暫くして裾上げの完了したジーンズを手にTは意気揚々と店内へと戻って来たのだ。
そしてそのジーンズの裾上げ具合をお客様に確認してもらおうとカウンターの上に広げた のである。
すると、ジーンズの片側の方は裾上げされずに全く以前のままの状態であり、もう片側は

((半ズボンかよッ!?))

と言う辺りまでカットされていたのだった。
これは見た瞬間衝撃的に笑えた。
Tはジーンズの片側を裾上げした後、その一度裾上げした側を再びカットし、またまた裾 上げしてしまっていたのだった。
これには可笑し過ぎて、この場ではとてもTに怒って注意をする事などは出来なかったし 、お客様まで大笑いしていたものであった。
もちろん、そのお客様には平に謝罪し新しいジーンズをすぐにお返ししてある。
そして未だにそのジーンズは店の奥の棚に存在するのである。

数々の珍事がたくさんあるが、私的にはこんな事があった。

お客様がパンツを選び試着したいと言う。
もちろん私はお客様をフィッティングルームへと案内し、そしてお客様がフィッティング ルーム内へと入り、私はカーテンを閉めた。
そして右手の親指と小指だけを立てて受話器の形を作り、それを右耳に当てた状態で一言 言ったのだ。

「パンツを穿き変えたら、電話下さいね!」と。

するとカーテンの奥から

「え!」

と絶句する声が聞こえた。
携帯電話の普及する以前であり、フィッティングルームにはもちろん電話器など無いので ある。
そのお客様の『え!』で、我に返った私は自分の失言にすぐに気が付き、
「ごめん、ごめん、パンツを穿き変えたらお知しえて下さ~い」
と言い直したのだった。お客様はパンツを穿いた後、いったいどこにあるのか解らない電 話器から、どこに電話をかけたら良いのか?これは新しいシステムなのか?などと走馬灯 の様に考えを巡らせ戸惑ったに違いないのであった。
当然、この場面でスタッフは笑いを堪えられなくなり誰一人としてこの場に留まっている 者はいなかった。
私はついさっきまで取引先のメーカーの方と電話で商談しており、その最後に、
「また何かあったら電話下さい。」
と言ったばかりであり、きっとその流れであった。あれからはトラウマになり、今でもフ ィッティングルームのカーテンを引くたびに、

((パンツを穿き変えたら、お知えて下さいね!))

と心の中で何度か反復してから言葉に出すように心掛けている。

突然訪れる楽しい出来事はまだまだたくさんあった筈なのだが、大半はその場で笑って直 ぐに忘れ去ってしまう。
その場の雰囲気での体験によって齎される絶えられない程の愉快な感じを臨場感たっぷり に御紹介出来る様に、これからは忘れない様にちゃんと書き留めておこうと思っている昨 今である。
お客様には、私共の奇異な行動や言動などございましたら、どうぞ寛大な心で受け止めて 頂ければ幸いです。

 
   
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