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第149話  泳ぐ

  プールで泳ぐのは、あらゆる理法に従順だった中学生のころ以来。
それからとてつもない時間が流れ去り疑心暗鬼の塊となってしまった今頃になって、再びプールで泳ぐ事になるなんて考えもしなかった。
当時、誰に習った訳でもないのだが見よう見まねで泳いでいた平泳ぎは得意な種目であった。うまい人の泳ぐスタイルを容易にまねする事が出来ていたのと、息継ぎが比較的簡単にできた事がすんなりと身についた理由であった。
それに比べてクロールは苦手と言ってよかった。
頭を横向きにしての息継ぎのタイミングをつかむ事が難しかったのと、力んで行うバタ足にほとんどすべての体力を奪われてしまって疲労困憊、すっかりと疲れ切ってしまうのである。ようやく25メートル泳ぎ切った時にはゼーゼーゼーゼー、しばらくの休養を取らなくてはならない程だった。
そうなればクロールでの泳ぎはだんだんと遠のき、平泳ぎで泳ぐ事が大半を占めてしまう。
そんな流れで今に至っているのだが・・・・・。
この先トライアスロンに挑戦してみようか?なんて無謀とも言える提案がK君との間で交わされた。一念発起、である。
郊外にある市民プールは年配の方々で賑わっていた。
それぞれが思い思いのスタイルで自分のタイミングで好きなように水と戯れている。平日の午後、こんなに大勢のスイマーがプールにいる事に私は少しばかり驚いていた。勝手ながら、個人的に閑散としたイメージを持っていたからに過ぎないのだが。
その大勢の人たちの邪魔にならないように、私は片隅の空いているレーンへと進んだ。冷たくも温かくも無い丁度よい水温は素肌に心地よい。その空いているレーンへと着いたところで私は何も考える事無く平泳ぎを試してみた。
なんだかいける、長年のブランクなんかはそう感じる事もなく泳げている。
25メートル、次に、苦しみながらもなんとなく泳げたはずの遠い記憶をたどりながらクロールを試してみる。やはり全体的な動作に違和感が走る。
バタ足、腕の送りに息継ぎ、統一感のないアンバランスなぎくしゃくとした動きの感覚、25メートル泳ぐうちに3回ほどプールの水をガブリと飲んだ。
プールの水はたびたび変えている訳も無いだろう、下手すれば明日は下痢でもするのかな、なんて心配になったが、ここで引き返すわけにはいかない。
それぞれのパーツの動きを確かめながら何度も泳いでみる。
バタ足はこうか?腕は大きくまわして水中でしっかりとかきながら前方に伸びる腕を枕にするように側頭部をつけておおきく息をつなぐ。そう自身の体に言い聞かせるように全身に神経を廻らせ何度も練習してみる。1時間を過ぎたあたりまでくると徐々にではあるが修正が効いているような感覚、大きな飛躍はないが1時間前よりは少しはマシになっているかもしれない。だがやはりまだまだ未完な事は私自身がしっかりと自覚をする事が出来ていた。後は練習あるのみ、水に慣れるように何度も何度も地道に練習して行こう、そう考えた。最低でも1500メートルは泳がなくてはならない。気の遠くなるような数字ではあるが、がんばってみよう。続けてみなくては結果は見えないのだから。
想えば、人生の荒波には今でも苦戦している、人生をスムーズに泳いでいけるようになるには、それこそまだまだ努力が必要なようだが、出来ることなら、先にこのクロールだけでもすいすいと泳げるようになりたいものだ。

 
   
   
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