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第144話  困ったもんだ

  近頃、すっかりと目の調子が悪い。
生まれてこの方ずーっと目の機能良好だった私は、何の違和も疑いも無く生涯目がいいものだと信じていた。視力は1.5から2.0を行ったり来たりの繰り返し、ちょっとした調子の良し悪しでそのランクがひとつ違うだけ、確定されたその数字によって何か困惑すると言った事など皆無な生活があった。
もちろん今でも通常裸眼で1.2から1.5はいけるだろう。
眼鏡やコンタクトレンズを使用している人たちを見ても、ただたんにその道具を使っているだけの人であり、その裏側にある大変さなど知る由も無かった。
近くの空間がぼやけ出したのに気がついたのは40代中頃、居酒屋での注文時とメーカーへの商品発注の時だった。居酒屋ではメニューの文字がにじんで読めなかったり、商品発注しようと商品タグを覗くのだが数字を理解することの困難が度々あった。
焦点が合わずに文字等が2重に見えていたので、その時は一時疲れがでたのだろうと安易に考えていたのだが、どうやらそうではなかった。 その後みるみると視力の低下に拍車がかかった、シューズなど箱に入った物を探す時がさぁ大変、色からサイズからさっぱりと見えない。そのうち伝票に書かれてあるプライスから携帯電話のメールの文字なども見えなくなってきた。
そして私はとうとう決意、老眼鏡を手にしたのである。
しかし、これがまた不便極まりない。
頻繁に使うカウンター周りに置いてあるのだが、つけたり取ったりが面倒でかつ所作がみっともない。また、棚の商品タグの数字やサイズを確認するのにはいちいちその眼鏡を持ち歩かなくてはならない。ほとほと不便でならない。
そこでひらめいた、もっと手軽に細かな部分を覗けるようにと、「虫めがね」を用意したのである。これが便利、ちょいとポケットに忍ばせておけば眼鏡のようにかける手間も無くすんなりと対象物を覗ける。少しばかりかさばるが我慢、ヒップポケットに柄のついたそれを入れておけばひと安心だ。
そんななか、ジーンズのヒップポケットに虫めがねを差し込んだまましゃがんだ時だった。
「パリッ」、嫌な音がした。
引っ張り出してみるとレンズを囲っていた部分に亀裂が入り、レンズだけが単独でポロリと落ちた。
「どうしよう、これだけしか持ってないし」さすがに焦せった。
すぐに虫めがねを買いに行くこともできなかった私は、緊急措置としてそのレンズだけを手に取りポケットに突っ込んだ。するとどうだ、いままで柄や輪郭がかさばってごそごそと感じていた違和感が無い。すんなりと自然にポケットに収まっているではないか。
「これだ!」
私は素直にそう感じた。
レンズだけのそれは良い道具へと昇華した。
今でももちろん携帯しているし、無くてはならないものとなっている。手の中にすっぽりと納まるそれは本当に便利な存在となった。
年齢からくる衰えに勝とうとは思はないが、何かがあれば何かで補う、それを支える道具をうまく見つけていかなくてはならなくなるだろう。
困ったもんだがしょうがない。

 
   
   
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