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第137話  腹筋力

  何事もなければ仕事終りはまっ直ぐと家に帰る。
仕事が終わったらあそこに寄ろうか、はたまたあちらに寄ろうかなどと、ふらり彷徨う様な年ではなくなったみたい。家にたどり着くと正直ホッとする。
その日もそんな一連の平凡な一日の終わりころ、家にたどり着いて習慣的にテレビのスイッチを入れた。画面には筋肉隆々な、いかにもスポーツインストラクターといった風貌の怪しい男が、ひな壇に陣取る有名タレント陣に向かってとうとうと語っていた。
「ようするに、腹筋を鍛える事によりキラ―細胞が増殖し風邪など感染症の予防になります、またかかってしまったとしても早期な治癒が望めるのです。筋肉をつけるという事は健康面でもとても良いと言う事ですね。」
さらり聞き流した私はそのままシャワー室へと向かった。
年に数回はどうしても風邪をもらってしまう私。特に冬は人の混み合う場所に足を踏み入れる時はマスクをするなど対処はしているにも関わらずチョロリともらってしまう。
喉のイガイガからはじまり徐々に体のだるさをともなってくる。それが3日間くらい。
次に意外だが熱が下がるのである。具合が悪いと感じた時点で体温を測ってみると決まって35度9分などと下がっている事が多いようだ。このけだるい時間をさらに3日間過ごすと今度は咳が出だす。これがいちばんに厄介な期間だ。
喉から気管支へと続くあたりがひりひりといたみだして咳を誘発する。昼も夜もあったものではなく、まるで発作でも起こしてしまったかのように激しくせき込んでしまう。これが長らく尾を引くのである。この苦しさに耐えかねてようやく病院へと向かうのであるが、注射をしても抗生剤など様々な薬を飲んでも4-5日はどうしようもなく、じっと耐えなければならないのである。これがとても苦しい。
熱いシャワーで髪を洗っている時にさっきの怪しいインストラクターの声がなぜか耳の奥でリフレイン。そうか腹筋か、腹筋を鍛える事によってこの先やってくるかもしれない恐怖の風邪から身を守る事が出来るかもしれないのか、それが真実なら朝のランニングの後に少しばかりやってみようかな、そう考えが向かったのであった。
数日後、腹筋と背筋を鍛える事の出来る器具を手に入れた。
ランニング終わりにせっせと励む、風邪に強くなるのならこれくらいのことなんて事はない。風邪などひかない体になったならまるで天国ではないか。汗をふきふき頑張る。
鍛え初めてひと月半、たるんだ腹部がなんだか引き締まり始めたころ、なんだか喉がひりひりと痛みだした。まさか風邪か・・・まさか、腹筋は依然より少しはましなはずだが。
それから4-5日したあたり、喉のひりひりは依然としてあるのだが、あのけだるさは襲っては来ない。そうかやはり腹筋力アップのおかげか、素直にそう思った。
それから2日経っても体温の低下はみられなかった。腹筋なかなかやるな、そう思っていた矢先、急に喉の痛みが姿をあらわした。たちまちに声帯が音を失い、声がまったく出なくなってしまった。このあたりでどうやら本格的に風邪をひいてしまったようだった。
しかしまだ咳は出てはいない、もし咳が出なければあっぱれだ。腹筋を鍛えているから、仮にこの次の段階に移行したとしてもそう重症化はしないだろう、そう考えていた。
が、とうとうそれは翌日やって来た。
「ゴホッゴホッ、ゴホッゴホッ」
咳が出だした、しかも激しく。
おいおい腹筋、どうなってんだ、がんばれよ。
結局咳がひどくなり日を変へ2回程内科を訪ねた。いつもと同じパターン。昼も夜もゴホゴホゼーゼー、厳しいものだった。これでは、ちっとも変わって無いではないか。
4日目にはいってようやく激しい咳も落ち着きをみせた。
コホンコホンと小さな咳は出るものの肺まで痛むほどの咳はどうやら峠を過ぎてくれたようだ。ここまで耐え忍べば夜も安心して眠りに着く事が出来る。
でも、待てよ、いつもならこの状態にまで回復する前日あたりは鼻水などが多量に排出されてくる期間があるのだが今回はすんなりとこの状態までになれたような、気がする。
一日位は早く治ったのかな?うーん、よくわからない。
もう少し鍛えてみてここのところを立証してみなければならないようだ。
「つづけてみようかな。」
もしかすればこのさき、風邪知らずの強い体に変身できる可能性が無きにしも非ずなのだから、と自身を鼓舞し未だ暗い時間に目覚ましをセットするのであった。

 
   
   
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