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第131話  日向

  初夏を向かえて太陽の力がぐんっとみなぎる。
伴い、気温も日に日に上がっていくのを肌で感じる。
ショートパンツへ、そしてロングスリーブからショートスリーブへとチェンジしてのジョギング、朝の早い時間ながら、ギラギラと睨みを利かすようなその陽光が私の腕や脛、無防備に露出された部分を笑顔で突き刺す。ヒリヒリと痛みさえもたらす。
たっぷりと一汗かいた後、温めのシャワーで全身さっぱりと洗い流す。
軽い痛みを覚えたところの肌は浅黒くそのほかの大部分は天然肌色、濃淡の具合はちぐはぐでアンバランスだ。顔は黒くキャップをかぶっている頭部と首は白い、肩は白いがTシャツから出ている腕は黒く常に露出していた手のこうはますます黒い、まったくもって変だ。このままでは仕事的にもよろしくはない。
この季節、アウトドアスポーツを楽しむためにも黒い部分をもとに戻すことは不可能に近い、ならば逆に白い部分も黒くしてしまおう、そう考え至るのにそんなに時間はかからなかった。
さっそくホームセンターでビーチチェアーを購入。
午前の早い時間、太陽はすでにまんべんなく大地を照射する、私はビーチチェアーを外に持ち出し、トランクス一枚でそれに横になってみる。
陽光の眩しさに半分目を閉じたままひんやりとしたビニールパイプを編み込んだシートの上で体を伸ばすと、潮騒をのせた心地よい風が私のなかをあくまでさり気なく吹き抜けていった。
なんだっ、この透明で無邪気な開放感と非現実的な浮遊感は。
まるで未来など何も考えずに過ごしていた少年の頃にでももどったかのような気配が漂う。気持ちがいい、何もかもが体から抜け出しそして透きとおって行くようだ。
思えば日向で横になるなんて何年ぶりの事なのだろうか、近頃ではまるで記憶にない。
これは、ちぐはぐな体色ならしとしてはもちろんだが、精神の浄化にもなかなかいいものなのかもしれない、そう思った。
それからは天候や空き時間の都合があえば短時間でもそんな時間を作るようになった。
白かった首や腹が、ある程度顔や腕の黒さに近づいてくる、どうやら色の濃淡は軽減したようだ。これで一安心。
疲労感を覚えたときに時折出かける温泉、その温泉でくつろぐ私を驚かせる出来事がおきた。普段自宅ではまったく気にもしなかったのだが、脱衣所の脇にある大きな鏡に映った私は気味が悪いほどに尻周りだけが白い。なんだか気恥ずかしい気分になる。
トランクスをはいている部分はどうしようもない、これはさすがにしかたがない。
まぁ、タオルでも巻いておけばいいや、と自身に言い聞かす。
すべてを包み込むほどのリラックス感をもたらしてくれる太陽、やつは人間の心のうちにも光を届けているのかもしれない。日向はやっぱりいいものだ。

 
   
   
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