お問い合わせ
 
  ホーム オンラインショップ ショップ紹介 コラム リンク
HOME > COLUMN > 第13話...キャンプでの思い出
 
過去のコラム一覧  
  第13話  キャンプでの思い出  
   
私達は毎年茹だる様な暑さの夏がやってくると、よく海へとキャンプに出掛けたものであ った。
(最近はとんと御無沙汰である。)

その年の夏も連日猛暑が続き、気温の高さは例年の記録をなんなく塗替え続けると言う有 り様であった。
だが、未だにクーラーを設置出来てはいなかった私達の店は、店内温度40度、湿度90 %アップと言うまるで熱波地獄状態であり全く仕事にならず、これじゃあ仕様が無いと言 う結論に達した所でまたかのキャンプと相成ったのだった。
メンバーは、スタッフのK(一号)、女性バイトスタッフのM、常連のお客様のKO、そ して私も交えた4人である。
大人数ではなく、丁度ゆっくりと時間を楽しむ事の出来る人数である。
そして、私はこのようなイベント事がある度、常にドライバーと言う役割を仰せつかって おり、特にキャンプの時などはとりあえず先に皆を迎えに回らなければならなかった。
KOとMは、既に各家々の玄関先で待機しており、すんなりと拾う事が出来た。
問題はKである。
これまで、何か約束事をした時間にちゃんとKが顔を出した事を、私はいままで一度も見 た事が無かったのである。
3人でKの住むアパートへと向かった。案の定、玄関先にはKの姿はない。
そこで私はKの部屋のドアホーンを鳴らしながらそっとドアを押してみると、すんなりと それは開いたのだ。
私はそのまま部屋の内へ入って見ると、やはりKはベッドの布団に包まれ熟睡中なのであ る。
だがその時、私の目に飛び込んで来たものがあった。
それは、まだKが10代の頃の代物であろう、特攻服を着て腕を組み、睨みをきかせた まま改造バイクの横にうんこ座りをしているヤンキー時代の傑作な写真であった。
しかも大事そうに花柄枠の額入りである。
それを見た瞬間、私の笑いの壺のど真ん中に若かりし頃のKの姿が直撃し思わず笑い転げ てしまい、私はしばらく息を吸う事さえも出来ない程であった。
その笑い声と物音で目を覚ましたKは、なぜだか自身もその写真を指さしながら私と一緒 に笑っているのであった?Kは急にデリケートな自身の過去の記録の断片を私に初めて覗 かれ、寝惚けたままではあったが照れてしまい、どうやらもう笑ってごまかすしか無かっ た様だ。

そんなKも車に便乗し、私達は先程の写真ネタで海に着くまでおおいに盛り上がったのだ った。やはり、夏の海辺はいつ来てみても非常に気持ちの良いものである。
私達は早々にテントを張り終え、おのおの、のんびりとした時間を楽しんでいた。
夕暮れになり、私達はビーチバレーを始めた。
既に涼しくなり体の動きも軽く、思いっきりボールを追い掛ける事が出来ていた。

その時、たまたま高く打ったサーブボールが、強い風に流され林の方へと飛んで行ってし まったのだ。
するとKは、今まで見せたこともないスピードでボールの方へと駆けて行き、華麗な回転 レシーブを決めたのだ。(カッコイイ!)
だが、それがいけなかった。Kは倒れたまま動かなくなってしまっていた。
遠目からだが、どうやら腕を捻ったらしく苦痛の表情を浮かべているのが私には見えた。
すると、バイトのMがすかさず駆けて行って、テキパキと応急処置を施してくれたのであ る。
腕に何やら添えた上に、しっかりと包帯で巻いてくれている。これで一安心。
その後私達は、夕食に肉ジャガを作り、それを肴にお酒を飲み始めていた。だが、なんだ かKの様子がおかしいのである。お酒も飲んでいない様に見えた。
側へ行ってどうしたのかと聞いてみると、どうやらさっきよりも腕が増々痛みだしている らしい。心配になった私は、一度包帯を取り患部の様子を見てみる事にした。

そして、私はその包帯を解いて見てその光景に驚いてしまったのだ。
添え木として、ささくれ立った切りっぱなしの薪が使われていた。
薪のささくれて鋭く尖った木片部分が、力強く巻かれた包帯のせいでKの腕の肉に食い込 み大量出血してしまっているのである。
さすがにこれは痛そうだった。

もはや腕を捻った事よりも、この処置の方法で大怪我を負ってしまっていたのである。
この様子を垣間見ていたMは、
「大丈夫、大丈夫!」と一言軽く流し、まるで興味の無い様子である。
その後Kは熱をだし、朝方まで悶え苦しみながら悲惨なキャンプの一夜を過ごすはめにな ってしまったのだった。翌朝早々に、顔色が土色に変色してしまっているKを抱え病院へ 向かった。
こんなKに昨日の朝の様な笑みが戻るのはいったいいつになるのだろうか?当時、とても 心配であった。

(そして2005年現在)あの軽い怪我を大怪我にしてくれた元気なMは、現在結婚して アラスカ在住であり2児の母(ルイス君とシンちゃん)でもある。
しかも、アラスカの高校で教鞭をとっているのだ。とんでもない事を教えていなければ良 いのだが?

Kはと言えば、十数年前に独立を果たし、現在N県M市にてショップ5店鋪を経営するや り手社長になっている。
目は腫れぼったいが、どうやら笑顔は取り戻している様子であった。
良かった良かった。一安心である。

 
   
    PAGE TOP ↑
オンラインショップ ご利用案内 特定商取引法表示 お問い合わせ  
 
copyright (c) T-bird 2009 Allrightsreserved