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HOME > COLUMN > 第11話...西暦2000年のビリヤード |
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第11話 西暦2000年のビリヤード | |||
私はそれまでビリヤードと言うものをただの一度もやった経験はなく、やろうと思った事 などは、やはり皆無であった。 そんなある日、馴染みの自衛官Aから一本の電話をもらった。 それは、まだ彼が20代前半であると言う若さにもかかわらず、新築のマイホームを建て たと言う知らせであった。 それは羨ましくもあり、また凄い事でもあり、私は早速新築祝いを携えAの新居へと出掛 けたのだった。 そして新居へ到着するや否や、私はあまりに立派なその建物に目を見張ってしまった。 瀟洒な洋風建築の2階建てで、建物側面には車3台は置ける駐車スペースがあり、その隣 には庭まであるのである。 まったく驚いてしまい、立ち竦んでしまっている私の所へとAはやって来て 「内で皆集まって飲んでいるから、一緒に飲みましょう」と言ってくれた。 内装もやはり立派なものであった。 祝いの宴もたけなわとなり、集まってくれた皆さんもそろそろお酒が回りだしている時だ った。 突然Aが立ち上がり『ビリヤードでもやろうよ!』と言い出したのだ。 あらあら、なんとその家の東側1階部分にはAの趣味を反映し1950年代風にアレンジ されたビリヤードルームまで完備してあったのだ。 私はその場所にて、初めてビリヤードと言う物を体験する事になってしまったのだ。 そしていざやってみると、何だかおもしろい。 まったく素人の私は、9ボールゲームで負け続けてはいたものの、そのおもしろさを見出 し始めていたのだった。
そして数日後、やはり私も買ってしまったのだ。 「今日は、ディナーを賭けて勝負をしましよう!」
と言い出したのである。 「やったー!」 私は思わず叫んでいた。 初めて勝ったのだ。嬉しくて感情を抑えきれない私は、一刻も早くタダメシ牛タンディナ ーを食す為に、敗者のYを引き連れ意気揚々と牛タン屋へと向かったのだった。
ところがである。 私は愕然としてしまった。私の初めての勝利ディナーであり記念日なのに閉店。
これによって牛タンは儚く露と消えてしまったのである。
思えば私の運も、ビリヤードのテクニックもこんなものなのかもしれない。
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